とある昼下がりサイド君が何やら困った様子です。
高校を卒業してすぐ就職した友人のことなんだけど。この間その友人に会った時にす
ごく疲れていたようだったので理由を聞いたんだ。すると,何やら深夜まで残業させ
られているということで,その上,残業代も支払ってもらっていないらしいんだ。
それはひどいわ。何とかならないかしら。そうだ日比谷先生に相談してみない。
実はご相談があって……。友人が勤務先の会社から残業代を払ってもらえなくて困っ
ているんです。
サービス残業の問題だね。労働基準法という法律の37条で,法定労働時間(原則
として1日8時間,1週40時間。)を超える労働に対して,残業代を支払わなければならないとされているんだよ。サイド君のご友人も法定労働時間を超えて働いていれば,会社に対して残業代を請求していくことが可能だと思うよ。
そうですか……。友人は,会社を信じていましたのでコピーはとっていないと思いま
す。その場合は他にありませんか?
そうだね。タイムカードがなくても業務日報等があれば良いけど,会社側の資料だからご友人は持っていないかな。
そうだね。残業時間を日記風につけていればそれも証拠になるよ。例えば,手帳にメモしてあるとかだね。
そんなにマメな友人ではないから,それもない可能性が高いです。先生,ほかにあり
ませんか?
そうだね。その場合は,ご友人の記憶を喚起してもらって残業時間の一覧表を新たに作成することになるかな。もちろんこれで十分というわけではないけど,法的な請求は可能だと思うよ。
残業代の請求については,どういう手段を選択するか等難しい問題があるので,困ったことがあったらすぐ相談してくださいね。