こんにちは東京事務所の平林です。
さて,今回は,弁護人の反対尋問です。
裁判長:弁護人反対尋問をどうぞ
弁護人:あなたは,倉庫のドアを閉めて,作業をしていたとの事ですが,隣の部屋で誰が話をしていたかは見ていないのですね。
証人Hさん:はい。見てはいませんが,声の感じでは,被害者とAさんだなと思いました。
弁護人:被害者とAさんのほかに誰かいたかもしれませんよね
証人Hさん:えっ! ‥‥あっ‥,‥‥はぁ。‥そうですね。
弁護人:あなたは走り去った人の後ろ姿しかみておらず,顔は確認していないんですよね,
証人Hさん:あっ,‥‥はい。
弁護人:以上です。
証人Hさん,反対尋問に,かなり驚いたようですね,証人Hさんの証言は,確実ではないぞ,というところを弁護人は,見せたかったのでしょうか‥,
静まり返った法廷の中,前には,裁判官,裁判員,後ろには,傍聴人が座ってじっと自分の話を聞いている,そんな中,たった一人で質問に答えるのは,かなり緊張します。
証人Hさんのように,特にこの事件に関与しておらず,ただただありのままを話すだけでも,緊張するのに,犯人が何かを隠したまま尋問に応えるとしたら,相当腹がすわっていないと無理ですね。
私が始めて傍聴したのは,当事務所の弁護士が弁護人だった事件だったので,被告人寄りだったからか,検事さんの尋問や,検事さんの態度,表情がとても嫌な感じに映り,「検事さんって性格悪くなってしまう職業なんだろうな~」と,失礼な事を思ってしまいましたが,検事さんは,わざとそのような態度で被告人に接していたのでしょうね。
さて,次回は,論告・求刑です。
また,お付き合いください。