こんにちは。東京事務所の平林です。
さて,前回では,検察官,弁護人がそれぞれ立証内容について冒頭陳述したところまでお話をさせていただきました。今回は,その後についてお話しします。
裁判官から本件の争点は,Aさんに殺意があったのか,なかったのか,についてである旨告げられました。
その後,検察官は,冒頭陳述で述べた事件の内容を証明するための証拠を裁判所へ提出します。たとえば,凶器や,医者の診断書,事件を目撃した人
や,事件について何か知っている人などがいる場合は,法廷に呼ぶこともあります。
これは,弁護人も同じように証拠を出します。
検察官は,凶器であるナイフの写真と,実物を揚げて法廷で提示しました。
傍聴席からどよめきがおこりました。そして,裁判員の前に設置されているモニターには,遺体が映し出され,その生々しい映像に目を背ける裁判員もいました。
検察官が,被告人Aに対し,凶器として使用したナイフですね,と質問し,Aさんは,消え入りそうな声で,「そうです‥」と応えました。
その後,同じ会社で,たまたま残業をしていた社員が証人として法廷に出廷しました。
裁判長が,証人に対し証言台の前に立ち,宣誓書を声に出して読み上げるよう促しました。
証人は,かなり緊張しているようで,震える声で,宣誓を読み上げました。
裁判長から証人へ,嘘をつくと偽証罪に問われる可能性があることの注意が伝えられました。
次回は,証人尋問です。